September 30, 2004

3C

ミリオネーゼの仕事術〈入門〉- 8ケタ稼ぐ女性が実践している4つのビジネススキル
』という元BCGのコンサルタントの秋山ゆかりさんの本を読んだ。私は実は初めタイトルを読んだとき「ミラネーゼ」(Milanese=ミラノの女の子)だと思ってミラノに住むキャリアウーマンの仕事方法かと思ったのだけれど、それはさておき著者の秋山さんが仕事ができるようになるために日々努力していることのリストは「すごいなー、でもちょっと自分には無理かなー」と思うことの連続。

その中のひとつとして紹介されていたのが分析力をつけるために「毎日行き帰りの電車の中で見るもの(吊り広告とか)をMECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive=漏れなくダブりなく)で分類する」という訓練。MECEというのはマッキンゼーが編み出した言葉らしくINSEADでは出てこなかったけれど、漏れなくダブりなく分類というのは難しいものでこれを毎日続けることによって分析力がつくそうです。電車の中では携帯メールしている私とはえらい違いですが・・・

秋山さんが「覚えておいたら便利なフレームワーク」として紹介していた中で一番初めに出てきたのがStrategyのクラスでも出てきた基本中の基本の3C(もしくは4C)。
3CとはCustomer(顧客), Competitor(競合), Company(自社)で4Cは3C + Channel(販売チャネル)。事業の現状分析の時に使うもので「わざわざ3Cとか英語で言うほどのことでもない」と思うほど当たり前のこと。

日本郵政公社を独占禁止法違反で提訴したことで話題のヤマト運輸の例で見てみると、Customer(顧客)、Company(自社製品/サービス)は一般消費者、企業向けに各種宅急便(小包、クール便、ゴルフ、スキー、空港)やクロネコメール便、引越し便、B2Bの企業間物流サービスetc.でCompetitor(競合)は小包であれば日本通運の『ペリカン便』、メール便であれば日本郵政公社、企業向けであれば佐川急便、引越しであれば引越し業者などである。Channelについては自社営業所や法人営業といった直接販売もあればコンビニのような代理店(LAWSONが小包の取り扱いをクロネコからゆうパックに乗り換えたことで話題になった)もある。

部門戦略、企業戦略を立てる上でこれだけは絶対押さえなさい、というツールです。


posted at 10:52 PM : |


September 28, 2004

Break-Even Point

今日は昨日の続きです。Contribution Marginの偉いところは簡単にBreak-Even Point(損益分岐点)の計算ができること。
計算式はとっても簡単。
Break-Even Pointとなる販売個数 Q(BE) = F / (P-V)

昨日のプチリタ(というらしい)に習って例えば原価2,500円で仕入れた商品を10,000円で販売するとしましょう(ちょうど原価率25%)。
毎月固定費がHPレンタル料、配送・事務代行手数料、広告費などで100,000円かかっているとすると、100,000 /(10,000 - 2,500) = 13,333・・・で何とたったの14個売ればもう元が取れてしまう計算。14個目以上は1つ売るたびにContribution Marginの分ガポガポ儲かっていくという仕組み。

プチリタの本で取り上げられている沖縄の水の例(「沖縄の水は肌にいい」といって売り出した人の話)や『30日で成功するインターネットマーケティング』の例(シンガポールに住む18歳の少年が世界の著名なマーケッター30人に「今この瞬間無職になりインターネット接続できるパソコンだけを与えられたら1ヶ月でどうするか?」というメールを出し、その回答をまとめて自分でPDFダウンロード販売した話)ではContribution Marginはもっと微々たるものだったろうからさぞかしBreak-Even Pointも低く儲かったことだろうと思う。


posted at 1:02 PM : |


September 27, 2004

Contribution Margin

今さらって感じですが、『何もしないで月50万円!幸せにプチリタイヤする方法』を読んだ。生来影響されやすい私はさっそくプチリタイヤしたいと思って何とかいいネットショップ商材はないものか、、、と考えています。
この本に書かれていた重要なポイントのひとつが「利益率75%以上のものを売る」という点。
販売価格(100%) = 原価率 (25%以下) + 人件費 (25%以下) + 広告費 (25%以下) + 純利益 (25%以上) を目指すべし、だそう。

原価率25%以下ってContribution Margin Ratio(限界利益率)が75%以上ってこと・・・?!
Contribution Marginもしくは限界利益というのは留学するまであまり聞いたことがなかったけれどP2でやったManagerial Accountingで頻繁に出てきてこれがなかなか便利。

P (price) = 商品1個あたりの価格
V (variable cost) = 商品1個あたりの変動費
Q (quantity) = 生産個数
F (fixed cost) = 固定費
とすると、Contribution Margin = P - V
つまり限界利益率が大きい商品とは商品に占める原価の変動費率が小さい商品のこと。

トータルの利益というのは、上記を用いて TP (total profit) = (P-V) x Q - F。
これだけだったら別にContribution Marginを用いる必要ないじゃん!と思ってしまうのですが、便利なのはここからなのです。

続きは明日。


posted at 1:49 PM : |


September 25, 2004

Monetary Policy & Fiscal Policy

ついつい日経新聞を読んでいても飛ばしてしまいがちな(私だけか?)国際経済の欄。MBAではミクロ経済だけでなくマクロ経済も習います(自慢じゃないが、10ヶ目のCore Courseの中で最も成績が悪かった)。昨日の日経に米国のMonetary Policy(金融政策)と欧州のFiscal Policy(財政政策)について載っていた。

景気のサイクルを安定させるために政府が取れる政策には金融政策と財政政策の2つがあり、前者は中央銀行、後者は中央政府によって実施される。
金融政策・・・景気後退時に金利を下げ景気拡大期に金利を上げる。
財政政策・・・景気後退時に財政支出を増やす、もしくは減税を行う。景気拡大期に財政支出を減らす、もしくは増税を行う。
というのが基本中の基本。

以下が日経の内容。
金融政策・・・米連邦準備理事会(FRB)が21日に0.25%の利上げを踏み切った。実際は景気減速の懸念が強まっているので利上げを見送るべきだったのに11月の大統領選を前に景気変調を匂わせたくないブッシュ政権から圧力がかかった。
財政政策・・・ユーロ圏の財政協定では財政赤字をGDPの3%以内に抑えることになっているのに対し、独仏など大国含め加盟国が軒並み規律違反を続けている。これは景気低迷で失業給付など財政支出が増え税収が不振にならざるをえない状況がさせたものである。

マクロ経済の成績は最低だった私でも学校でやったことを思い出せば日経やEconomistに書かれている内容がわかってしまったりするのです。


posted at 2:26 PM : |


September 24, 2004

4P

引っ越した家がネットにつながってないため、更新が1ヶ月も滞ってしまいました。。。今の時代、家が常時接続じゃないと生きていけないですね、ホント・・・
気を取り直して今日はMarketingの4Pでいきます。

4Pとは企業がマーケティング戦略を立てる際に考慮すべき4つのP (Product, Price, Place, Promotion)のこと。それぞれのPには以下のような要素が含まれる。
Product(製品)・・・種類、質、デザイン、機能、ブランド名、パッケージ、サイズ、サービス、保証、返品ポリシーetc.
Price(価格)・・・正規価格、ディスカウント価格、補助金、支払い条件(期限、与信限度額)etc.
Place(場所)・・・チャネル、地域、在庫、運送etc.
Promotion(販売促進)・・・広告、販促、営業部隊、広報、DM(Direct Marketing)etc.

私は仕事の関係上、IT/テクノロジー関係の例が多くなってしまうので今日は「銀行業」の例で。
銀行といえば一昔前までは横並びのProduct(個人向け預金、法人向け貸付etc.), Price(預金利率、外貨交換手数料、ATM時間外手数料etc.), Place (駅前), Promotion (スヌーピー絵柄の預金通帳とか?)で個人客にとっては「どこに預けても一緒だから家や会社の近くに店舗がある銀行」を選ぶというのが当たり前だった。もしくはバイト先や会社のメインバンクに無理矢理給与振込み先の銀行口座を開設させられたりもしていた。
ところが、金融ビッグバンの結果今やIYバンクソニー銀行など新規事業者が参入し4Pで勝負する、という他の業界では当たり前の時代になった。

Product・・・投資信託の銀行窓口販売が解禁になったし、11月には株や債権も証券代理店として販売できる。
Price・・・ソニー銀行の米ドル為替手数料往復50銭は光っているし、以前は無料が当たり前だった口座維持手数料を今やほとんどの銀行がより高レベルなサービスの提供と引き換えに導入。
Place・・・ネットバンキングで家庭のPCや携帯電話で口座紹介・振込みができるようになり、コンビニATMも身近な存在に。
Promotion・・・最近、弁当箱とか(まるでミスドのような)グッズでの勧誘を見ないなー これ以外の3Pで差別化を図るようになった証拠でしょう。

銀行を選択する場合、消費者は4Pもさることながら「私の口座がある銀行がつぶれないかどうか」という財務の健全度も大きな指標だったりするわけですけどね。


posted at 11:56 AM : |


             

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